片道の季節 体中汗まみれで登った山 アリだけを見つめて過ごした日 いつまでも終わらないと思っていた 熱に浮かされたようなあの季節 すぐに破けた虫取り網 野原に満ちていた青い匂い まばたきのような一日 永遠のような一月 墓地で立ち昇る線香の煙 朝から晩まで聞こえた虫の音 歩いてなんかいられずに 走れるだけ走ったあの時 空全面に燃える夕焼け ゆっくり冷えるアスファルト 本当に大切だった時間は 惜しげもなく流れ去った |
この詩は1月下旬に開催された「詩人コロセウム」参加作品です。思った以上に良い評価を頂きました。 ReadingStationで行われて、現在でも閲覧可能です。 |
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