あついグァラスの向こう


この私をとりまくものは なんて
楽しげで
残酷で
醜くて
素敵で
心を奪われるのでしょうか

もしこれをくれたあなたが目の前に現れたのなら
私は抱きしめて殺そうとしてしまいそうです

そんなことができたとしたら どうなってしまうのでしょう?
私は空に満ちる霞んだクリームになるのでしょうか?
口に出しただけでも震えが身体に回ります

私がなにもかもにおそれを抱いて、膝を抱えて思い悩む
そんな姿をあなたは あついグァラスの向こうで見ながら
あきれたように苦笑いを浮かべているのでしょうね



この私を囲い込む壁は なんて
高くて
脆くて
美しくて
憎くて
越えがたいようなのでしょうか

もし私がこれを登ろうと手を伸ばしたら
それはいやらしい表情を浮かべて崩れてしまいそうです

もしそんなことが永遠だったら どうなってしまうのでしょうか?
私は何もしっかりと掴めずに空を握るのでしょうか?
心に描いただけで狂気が魂を揺るがせます

私がなにも為すことができずに 膝を抱えて黙りこむ
そんな姿をあなたは あついグァラスの向こうで見ながら
あきらめたような薄笑いを浮かべているのでしょうね




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