エピキュローシス


チロチロと燃える炎が好きで いつまでもそれを眺めていた
自分を取り巻く世界が嫌いで いつでも逃げようとしていた

火に手をかざして熱を感じ 静かに現実を思いおこす
あらゆる不幸を瓶詰めにして なにもかもが間違っている
どうしよもなく不安定なのに なぜか不気味に強固な構成

ああ、と息をつき
それが火に吸い込まれるのを喜ぶ
次々と姿を変えて 無邪気に周りを焼いてゆく
そんな炎を見るだけで とても心が静まった

「なにもかもが この炎のように純粋になればいいのに」

空を見上げる 目を戻す

チロチロと燃える炎を眺め そしてゆっくりその火を消した
きっとそこで浮かべた表情は この世で一番優しいもの



 この詩は現さんに『衝動的に』贈らせていただいたものです
 現さんは「夢現」というウェブページを運営されているので、よろしければ一度ご覧下さい。
 ダークな雰囲気が素敵なページです。

夢現
http://www.infect.to/utt/




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