自分を遠くに望みて


不幸なる自分が幸福なるみんなにお祝いを
恨みなく羨みなく ただただ静かな祝福を
真冬に外で凍えながら、暖炉の部屋を見るように
すべてを理解しているような目で見つめて


そう いつだってだれだって考えている
「なんでみんなだけが幸せなんだ」
不幸になるときは自分ひとりだけ
きっとそう感じているよ いつもだれも


でも それでもいいじゃないか
幸福には感謝を 不幸には甘受を
ふりかかる不幸を優しくうけとめて
幸せな周囲に笑顔を送ろう


そんな想いは大地に薄く降り積もる
降り積もった大地に力なく横たわろう
血のかよわぬ手で祝いの拍手を
蒼白の唇で最高の祝辞を


幸福無き自分が不幸無きみんなに祝福を
恨みなく羨みなく ただただ明るい祝福を
死病に苦しみながら 元気な子供を見るように
なにかが見えているような目で見つめて




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