無題


いつものように
また
長い闇が始まりの音
奏で始めて
明るすぎる街の中へ
うもれていくのだろうか……

ふと見ると
街はずれのかたすみに
真っ黒な色に包まれた
たわいもない店が
妙に気になり

知らないうちに
自分も染まっていた

誰も「話す」ということ
それさえも知らない人々が
集まりそして
独り

ここのマスターぐらいなのか?
話すということを知っているのは
「そう」
ふり返ると
この暑い季節に似合いそうもない
コートを着た人物
こっちを向いてまた
一言
あんたが来る所はここじゃないだろ
気付けば扉の外……






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