雨と雷
雲と同じ色のビルだったから
誰も今日の傘に気づかない
ツバメがアスファルトを飛んで
出てくる虫は道のはし
大きな響きの前に
まぶしい窓の並び方
大空に映えた光る根
心に焼きつけるための一瞬
足のとまった街の人たち
雨に濡れて走りはじめる
小さな体にひそむ
太陽とは違った光
すきまを分ける亀裂
心に焼きつけるための一瞬
ふせってた教室の子供たち
窓の向こうにひかれあつまる
一度寝てしまえば
海と同じ色の空
何度か寝てしまえば
またくずれる天気 雨と雷