親への敬意
2005/01/31





 私は、自分の親と会話するときにやや敬語ぎみに喋るので、周囲の人間から驚かれます。
 普通、私と同じくらいの世代は、いわゆる「タメ口」が当然だからでしょう。中には親しみからか、友人と話すときよりも乱暴な人もいるくらいです。私にはそれがどうも理解できませんが。

 あははー、えぬじぃは年上の人と会話するときはいつも敬語ですよー。
(誰のマネだそれは)


 ……ですが、生まれたときから親に敬語を使っていたわけではありません。親に対する口の聞き方の変遷を、年代別に見てみると次のようになります。

幼稚園 : 普通の子供らしい喋り方
小学生 : 世界で一番馴れ馴れしい喋り方
中学生 : ほぼ対等の人間への喋り方
高校生 : すごい敬語。親は天皇陛下の次に偉い とばかりに仰々しく
今現在 : やや敬語。付き合いの深い上司に対したときくらい

 こうまとめると高校生のときになにがあった!? と聞きたくなるようなものになってしまいましたが、別に特になにかあったわけではありません。
 ただ、ひとつあることに気づいたのです。


 親は、子供をキチンと育てなくてもいいということに。


 子供の人権などという言葉がありますが、それは一つの理想にすぎません。子供をどう育てるのかは親の考え方次第なのです。
 世界には(日本でも)、子供を労働力としてしか見ていない親が確かに存在しますし、奴隷のように扱っている親もいます。可愛がられているようでも、アクセサリやペットのようにされている子供だっています。
 そんな人間もいる世の中で、親にきちんと育てられて普通の大人に成長できるということ。このことは本当に幸運としかいいようがありません。
 そう考えると、親に対しては自然と丁寧な言葉遣いをせざるを得ないのです。







 そして今日も私は、親に敬語で話をします。

「すいません。今月本当にピンチですので、一万円いただけませんか?」


(ダメダメだ)







上の階層にバック

ホームに戻る