ある日、何の理由もなく断食を行いたくなりました。
というわけで衝動的に実行します。ある意味キレる若者みたいといえばそんなかんじです。
『期間は3日間。そのあいだ口にするのは水とお茶だけ』
と、このような目標を立てました。
そして途中でやめないように、家族にも公言しました。
以下がそのときの家族の反応です。
父「そうか!じゃあこっそり隠れて食べたりするなよ!みんなも見張っておけよ!」
……なんでそんなに楽しげに人の気を削ぐようなことをいうのでしょうか。
母「ふーん。じゃあその間あんたの好きな物は作らないようにするわ」
……なんかありがたいような、そうでないような。微妙な返答。
妹「お兄ちゃん太ってきてるんだから、いっそ水も飲まない方が痩せるよ」
……あんたは鬼ですか。
と、家族から非常に暖かい声援を送られました。
まあ、そんなこんなで断食スタートです。
開始前に最後の晩餐とばかりにグラタンと肉野菜炒めを平らげた上に、ワインとビールを飲みます。しょっぱなからこんなに飛ばして大丈夫なのでしょうか?
第一日
午前零時よりスタートです。
この日、友人2名(雷光さん・葵桜さん)とTRPGの打ち合わせを兼ねたチャットをします。酒が入っていたせいか、途中で寝るという失態を犯してしまいました。ダメダメです。
結局、午前1時頃に就寝。
起床したのは午前10時。休みなんでゆっくり寝ていられるわけです。
まあ、休みだからこそ断食なんてやろうという気になったのですが。
午前中は星新一の断食エッセイを読みました。なんでもそれによると、断食中は歯を磨いてもいけないし、風呂もダメらしいです。
まあ、初日だからいいだろうと考え、午前中にシャワーを浴びます。
まだそんなにお腹は空いておりません。
午後。
夕方を過ぎたあたりから猛烈にお腹が空いてきました。
なぜかは知りませんが、猛烈にざるそばが食べたいです。
お腹が切なくて切なくて仕方が無いです。それに気を取られて、エッセイを書く作業もさっぱりはかどりません。
テレビをつけると、なんだか食べ物ばかり出てきます。TV局からのイヤガラセです(←被害妄想)。
お腹が空いてると起きていても面白くないので、早めに寝ることにして午後10時に就寝です。
この日口にした物は、麦茶1.5リットルとコップ2杯のミネラルウォーターのみ。
第二日
本日の起床は9時。……寝すぎかなぁ、やっぱり。
ものの本によれば、人間24時間何も食べないとお腹が空きを感じなくなるそうですが……それは嘘です。なにか食べたくて食べたくてしかだがありません。
こーゆー時に限って妹はイヤガラセのようにケーキ作りなんかをしております。わずかに殺意が沸きました。
――さて、ものの本によれば、人間絶食中のときは肉体労働はダメになりますが、頭脳労働はかえって調子が良くなるそうです。
試してみましょう。自動車学校とPC教室に出かけます。
出かけていて気付きましたが、足取りが軽いです。軽すぎてなにやらフラフラしています。やはり噂どおり肉体労働に関しては駄目そうです。
で、PC操作と運転にチャレンジした結果……申し合わせたようにどちらの先生からも
「普段より調子が悪い。動きにキレが無い」
と、言われました。あの本はデマだったのでしょうか?それとも自動車運転とPC操作は肉体労働なのでしょうか?なんか後者のような気もしますが。
夜には父が私に高級マグロの刺身を見せびらかして挑発します。家族愛って素晴らしいですね。
まあ、なにはともあれ、明日で終わりですので頑張りましょう。
この日口にしたものはミネラルウォーター2リットルと番茶1杯。
この次の晩にチャットTRPGのマスターをするので、睡眠時間調整の為に少し夜更かしすることにします。
第三日
結局この日午前5時まで起きていました。
そして就寝。起きたのは午前11時。
もうすこし寝ようかとしましたが、どうしても目が冴えて眠れないので仕方が無く起床です。
すると、不思議な現象に気がつきました。体が軽いのです。頭もスッキリしています。なんだか異常に気分がいいです。……ようやく断食の効果がでてきたのでしょうか?
お腹の空きもさほどではありません。1日目や2日目にあった、まさに「飢えて」いる私はどこにもありませんでした。
いや、だからと言って食べたくないわけではないのですよ。「飢えて」いないかわりに「羨んで」いるのです。
なんというか……老人が元気な子供を見て「ワシも若い頃はああじゃったなぁ……」などと思っているよな気分です。
このままもう2〜3日は断食できそうでしたが、いちおう目標の3日でやめておくことにします。
今から食べるのが楽しみです。それは例えて言うならば……「給料日の前日なんだけど、今月はけっこうお金が残っている」ときの気分に近いものがあります。
楽しみな断食明けのためにヨーグルトと、食中毒で有名な雪印牛乳(酷いや)を買ってきます。
買い物をしている時、ものすごい気分がウキウキしていました。こんなに弾んだ気持ちになったのは一体何年ぶりでしょうか?この気持ちを味わえただけでも断食の価値はありました。
その晩、チャットTRPGをしながら、頭の中では断食明けでいっぱいでした。参加者の方々ごめんなさい。
終了日と後日談
と、いうわけで無事に終了しました。
終了後すぐに食べたヨーグルトは、この世のものとは思えないほどおいしかったです。
一緒にチャットをしていたゆっけさんからも、こんなお祝いの言葉をもらいました。
ゆっけ「ちっ、生きてたか」
――友情とはかけがえの無いものですね。
体重を量ってみたら、開始時から3kg減っていました。
まあ、この体重は2日で元に戻りましたが、それ以来一度にする食事量が7割くらいになりました。
機会があれば今度は一週間くらい断食してみたいものです。
と、いうわけでみなさんも、一度断食をオススメします。
いかに食事行為が楽しいものかというのがよく実感できますよ(笑)。
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